【建築計画】給水・給湯設備★
- 〈単語〉
- 〈給水方式〉
- 〈バキュームブレーカー〉
- 〈給湯方式〉
- 〈給湯配管〉
- 〈潜熱回収型ガス給湯器〉
- 〈2ハンドル湯水混合水栓〉
- 〈配管方式〉
- 〈配管考慮〉
- 〈横引き〉
- 〈さや管ヘッダ配管工法〉
- 〈最低給水圧力〉
- 〈設計用給水量〉
- 〈飲料水の受水槽の有効容量〉
- 〈レジオネラ菌〉
- 〈中水の利用〉
- 〈水質汚染の防止〉
〈単語〉
バキュームブレーカー
- 配管内に負圧が発生した時に、吐水した水又は使用した水が、逆サイホン作用により給水管に逆流するのを防止する。
ミキシングバルブ
- 給油温度が適温になるように、温水と冷温とを混合するための弁。
摩擦損失
- 水が給水管内を流れている時に、管壁と水との間や、水内部で生じる摩擦抵抗によって、生じる給水圧力の損失のこと。
スロッシング
- 水槽など、液体容器の振動により、内部の液体が揺れ動くこと。
- 地震時の高架水槽などにおきるスロッシングを考慮し、強度などを決定する。
同時使用率
- 給水器具の総数に対しての使用器具数の割合を表すもの。
BOD(生物化学的酸素要求量)
- 水質汚染の程度を表すもの。(水中の微生物が要求する酸素の量を表すもの。)
クロスコネクション
- 上水と上水以外の配管が直接接続(混合配管)されること。給排水管では禁止されている。
給水管の管径
- 給水管の管径は、配管系統や配管部位における瞬時最大流量を負荷流量として決定する。
エアチャンバー
- エアチャンバー内に貯めた空気のクッション性を利用して、ウォーターハンマーの水撃圧を吸収する装置。
ウォーターハンマー
- 水圧管内の水流を急に締め切ったときに、水の慣性で管内に衝撃と高水圧が発生する現象。
膨張管
- 給湯用ボイラーや温水暖房設備において、温度上昇時の膨張量を吸収するため、膨張管や膨張弁を設ける。膨張管には止水弁を設けてはいけない。
給湯循環ポンプ
- 配管内の湯の温度低下を防ぐために、湯を強制的に循環させるもの である。
2ハンドル湯水混合水栓
- 湯と水の各ハンドル操作して適温・適量を調整する必要 があるので、サーモスタット式湯水混合栓に比べて湯水の使用量が多くなりやすい。
〈給水方式〉
ポンプ直送方式(受水槽+ポンプ)
- 水道管から引き込んだ受水槽の水を、ポンプにて必要箇所に給水する。
水道直結直圧方式
- 水道管から、水道本管の水圧によって必要箇所に直接給水する。
- 受水槽やポンプの設置が必要ない分、ポンプ直送方式より設備費が安価で、維持管理がしやすい。
- 必要圧力の算定においては、水道本管から給水する上で最も不利な状態にある水栓又は器具までの摩擦損失についても考慮する必要がある。
※揚水ポンプは必要ない
水道直結増圧方式(ポンプ)
- 水道本管からの給水引込管にポンプを直接接続し、増圧して必要箇所に給水する。水道本管からの水圧を有効利用できるので、省エネルギー効果が期待できる。
※給水引込管から必要箇所まで一定の圧力がかかるため給水引込管には、ある程度の強度や管径が必要となる。
圧力タンク方式(圧力水槽方式)(受水槽+ポンプ+圧力タンク)
- コンプレッサーによる圧縮空気の圧力で使用箇所へ給水する方式。
- 水道管から引き込んだ受水槽の水を、ポンプ圧力タンクに送る。その水を圧力タンク内の圧縮空気を利用して必要箇所に給水する。
- 高置水槽方式に比べて、給水圧力の変動が大きくなる。
- 空気は水に溶けやすく、圧縮空気の圧力が変動することがあり、給水圧力も変動しやすい。
高置水槽方式(受水槽+ポンプ+高置水槽)
- 水道本管から引き込んだ受水槽の水を、ポンプで高置水槽に送り、高さによる圧力で必要箇所に給水する。
- 高置タンクの設置高さは建物内で最も高い位置にあるの水栓器具においても、必要圧力が確保できるような高さに設置する。
- 屋上の給水タンクから重力により給水する方式 で、下階ほど給水圧力は高くなるが、各水栓の給水圧力の変化は小さい。
- 揚水ポンプから高置水槽への横管の配管を行う場合は、建物の高い位置での横引き配管が長いと激しいウォーターハンマーが起こりやすいので、建物の低い位置での横引き配管とする。
〈バキュームブレーカー〉
- 逆サイホン作用をおこす部分に自動的に空気を送り込み、吐水や汚水などが給水管に逆流するのを防止する装置である。水洗式の大便器のフラッシュバルブ、 その他吐水口空間を確保できない器具などには、バキュームブレーカを設ける。
〈給湯方式〉
局所式(瞬間湯沸器)
元止め式のガス瞬間湯沸器
- 湯沸器本体を操作して湯を出すタイプ。給湯配管は接続できない。
- 湯沸器から直接延びた給湯口により給湯する方式である。 湯沸器本体に高い水圧がかかる構造ではないので、給湯器を取り付けた場所でしか 湯は使用できず、配管による給湯はできない。
先止め式のガス瞬間湯沸器
- 給湯器から出た給湯配管の蛇口を開くと湯が出る。
二管式(強制循環式配管方)
- 温水を強制的に循環式、常に湯水が供給されるようにしたもの。
中央給湯方式
- 給湯栓を開いた場合にすぐ湯が出るようにするため、常に湯を 供給する必要がある。湯を強制的に循環させ、配管内の湯の温度低下を防ぐために、 給湯循環ポンプを設ける。
〈給湯配管〉
- 給湯配管は高温水が内部に流れるために膨張します。そのため、直線部の配管長をやむを得ず長くする場合は、配管の膨張線に対する考慮が必要。
〈潜熱回収型ガス給湯器〉
- 従来のガス給湯器では捨てていた排気熱を利用して、給水の予熱を行うことで省エネルギーを実現させたガス給湯器。
〈2ハンドル湯水混合水栓〉
- 湯と水のハンドルを操作して湯水を混合して使用する水栓であり、適温・適量を調整しなければならない。サーモスタット湯水混合水栓は、 サーモスタット(温度調節)機能により、給水・給湯の圧力や温度が変化しても吐水温度はほとんど変化しないので、適温調整中の無駄な湯水を削減することができる。
〈配管方式〉
上向き配管方式
- 水道直結方式やポンプ直送方式などに用いられる。
- 最下階の天井内に主管を配置し、これより上方の器具へ上向きに給水する。
下向き配管方式
- 高置水槽方式に用いられる。最上階の天井内に主管を配置し、これより下方の器具へ下向きに給水する。
〈配管考慮〉
- ポンプから高置水槽への横管の配管が長くなる場合、建物の高い位置での横引きが長いと激しいウォーターハンマーが起こりやすくなるため、低層階で横引きを行う。
〈横引き〉
- 建物のピット内や床下などに、横方向に設置されている管のことをいう。
- 屋内の給水管が結露すると管が腐食する恐れがあるので、結露防止のために保温材を用いて防露被覆を行う。
〈さや管ヘッダ配管工法〉
- 通常配管よりもひと回り以上径の大きい鋼管やプラスチック管 をあらかじめコンクリートスラブや梁などに埋め込み、その中に給水・給湯用の各系統 の分配主管を配管する方式。
- 漏水の原因となる継手が少なく、配管の更新を容易にできるため、集合住宅の住戸内の配管として多く採用されている。
- 給水・給湯の配管方式で、ヘッダ(分配器)と「各器具」とを(さや管)で個別に結ぶ。
- 管の更新性に優れ、同時使用時の水量の変化が少なく、安定した給水が可能になる。
〈最低給水圧力〉
- シャワー:70kPa
- 大便器:70kPa
〈設計用給水量〉
- 集合住宅:200〜350(ℓ/人)
- 事務所ビル:60〜100(ℓ/人)
〈飲料水の受水槽の有効容量〉
- 一日使用量(給水量)の1/3〜1/2程度
〈レジオネラ菌〉
- レジオネラ属菌の繁殖を防ぐために循環式の中央給湯設備においては、給湯温度は下記にする。
- 貯湯温度:60℃以上
- 末端の給湯栓:55℃以上
〈中水の利用〉
- 排水再利用水のこと。汚水を原水とした中水は、便所の洗浄水の利用に限定される。
- 植栽散水、噴水の補給水には利用できない。
〈水質汚染の防止〉
- 上水道の給水栓からの飲料水には殺菌のための残留塩素濃度が規定されている。
- 吐水口空間を設けることができない衛生器具には、その器具のあふれ縁よりも高い位置にバキュームブレーカー(逆流を防止するための器具)を設ける。
- 給水管内が負圧になった時に生じる吸引作用によって、水受け容器に吐き出された水が、給水管内に逆流すること。(逆サイホン作用)
- 「飲料用受水槽のオーバーフロー管(あふれ管)」や、「飲料用冷水器」の排水は、一般排水管に直結すると、逆流した時の悪臭やガス等で衛生上問題が発生するため「間接排水」とする。