【建築計画】排水設備★
〈単語〉
ディスポーザ
- 台所の流しの下部の排水管等に取付け、固形のゴミを細かく粉砕してそのまま排水できる処理装置。
阻集器
- 排水系統に排水管を閉塞したりする、油、毛髪、砂などご流入するのを防ぎ、それらを分離、回収するために、排水管の手前に設けるもの。
- 阻集器は、一般にトラップ機能も有している。
グリース阻集器
- 飲食店の厨房などにおいて、油脂(グリース)が排水管に流れないように設ける。
- 一つの排水系統にトラップを2個以上設けると(二重トラップ)、無通気部分ができ、排水の流れが悪くなるため、二重トラップを設けてはいけない。
- 二重トラップにすると、トラップとトラップの間に無通気部分ができ、トラップの封水や汚水の流通に支障をきたすおそれがあるので、排水系統には、いかなる場合にも、二重にトラップを設けてはならない。
ストレーナ
- 異物やゴミを取り除くために用いる網状の排水設備。
排水管
雨水排水管
- 雨水排水管を敷地内の汚水排水管に接続する場合は、汚水の悪臭が逆流しないよう、トラップますを設ける。
雨水排水立て管
- 屋根の雨水を屋外排水管へ排除するための、排水立て管をいう。
- 専用配管とし、他の排水管や通気管と兼用してはいけない。
- 上部は、伸頂通気管のとして延長し、大気に開放する。その際、管径は縮小してはいけない。
自然流下式排水立て管
- 上層階から下層階まで同じ管径とする。
排水横枝管
- 排水横枝管の管径は、これに接続する器具排水管のうちの最大管径以上としなければならない。
〈間接排水〉
- 排水配管を一旦大気中に開放し、その後一般排水配管に接続するもの。
〈通気管〉
- 通気管は排水管内に空気を流通させ、排水管内の圧力緩和させる。これにより排水トラップの封水を保護することができる。
- 横走りする通気管は、排気管が詰まった場合に排水が流入しないよう、その階の最も高い位置にある衛生器具のあふれ縁より、15cm以上上方で横走りさせて配管する。
- 通気管の末端を、建築物の窓等の開口部付近に設ける場合、悪臭の流入を防止するため、それら開口部の上端から60cm以上立ち上げるか、又は水平に3m以上離して大気中に開放させる。
- 通気立て管の下部は、排水横枝管よりも高い位置で接続すると、トラップの封水切れを生ずることがある。そのため、最低位置の排水横枝管より低い位置において、排水立て管又は排水横主管に接続する。
伸頂通気管
- 最上部の排水横枝管の接続部よりさらに上部に立て管を延長して、大気に開放し通気管としたもの。
特殊継手排水システム
- 伸長通気方式の一種で、排水立て管の管内壁周囲に排水を旋回流として流すことで、立て管の芯を通気層として利用し、排水する方式。これにより、通気管を伸長通気管のみとすることができる。
〈排水槽〉
- 汚水や雑排水を貯溜する排水槽の底部には、吸い込みピットを設け、ピットに向かって下がり勾配をつけ、排水、内部の清掃が容易に行える構造とする。
- 排水槽は原則として直径60cm以上のマンホールを設けなければいけない。
〈トラップ〉
- 排水トラップの深さ(封水深)は5〜10cmとする。
Sトラップ
- 清掃用流し等に用いられる。自己サイホン作用によって封水損失を起こしやすい。
Pトラップ
- 一般的に使われるもの。Sトラップより自己サイホン作用によって封水作用を起こしにくい。
〈排水ます〉
- 中高層の建築物の場合、一階の衛生器具(洗面器、便器、浴槽など)からの排水管は、2階以上の排水管と直結すると上階からの排水圧力により、1階の衛生器具が逆流することがあるので、1階の衛生器具からの排水管は、単独に屋外の排水ますに接続する。
〈FRP製水槽内〉
〈公共下水道における排水方式の区分〉
合流式
- 「汚水+雑排水+雨水」を同じ菅で排水する。
- 合流式においては「汚水+雑排水」と「雨水」の排水管を敷地内で合流してから下水道本管に流すため、トラップますが必要となる。
分流式
- 「汚水+雑排水」と「雨水」を違う管で排水する。
- 分流式においては、雨水排水管を、公共下水道の雨水専用菅に接続するため、トラップますを設けなくてもよい。
〈排水管〉
- 自然流下式排水立て管は、上層階から下層階まで同じ管径とする。
- 雨水排水ますには、雨水中に混在する泥などが下水管に流れ込まないように、底部に泥だめを設ける。
〈インバート〉
- 排水系統において汚物等を滞留させないために、汚水ますやマンホールの底部に設けられる下面を半円形に仕上げた導水溝のこと。