【建築施工】継手・定着
◯継手の位置
⑴梁
(梁の上端)中央部分でおお梁内法長さの1/2以内とする。
⑵柱
「梁上端から、500mm以上で、1,500mm以下」かつ「柱の内法高さの3/4以下」とする。
⑶「柱の主筋」「梁の主筋」 における「重ね継手」及び「ガス圧接継手」 の中心位置は、引っ張り応力の小さい所に設ける。
◯継手の位置のずらし方(重ね継手・ガス圧接継手)
継手は同じ箇所に集中しないようにずらす。
⑴重ね継手
・継手長さの0.5倍以上ずらす。
⑵ガス圧接継手
・400mm以上ずらす
◯重ね継手
⑴フックがある場合、重ね継手の長さはフック部分の長さを含まない。
⑵直径が異なる鉄筋の重ね継手の長さは、細い鉄筋の径を基準に考える。
◯ガス圧接継手
⑴圧接部の検査
・外観検査→全数検査
・超音波探傷試験→外観検査の合格となった圧接部から抜取り検査
⑵圧接部の鉄筋中心軸の偏心量(くい違い)は、鉄筋径の1/5以下とする。
⑶ガス圧接可能な範囲は鉄筋相互の「径」又は「呼び名の数値」の差が7mm以内
⑷再圧接
圧接部のずれが規定値を超えた場合は、圧接部を切り取って再圧接する。
⑸圧接の作業当日に、圧接面の錆や油などの付着物グラインダーで研磨してから圧接する。
⑹再加熱
・ふくらみの直径が規定値に満たない場合は、再加熱して圧力を加えて所定の膨らみとする。
・圧接部に明らかな折れ曲がりが生じた場合は再加熱によって修正する。
⑺切断
ガス圧接に用いる鉄筋の切断には、切断面が平滑及び直角になるように、
・電動カッター
・鉄筋冷間直角切断機
等で切断する。
◯加工
⑴異形鉄筋では一般にフックは必要ない。しかし、下記の場所ではフックを設ける。
・あばら筋
・柱・梁の出隅部の鉄筋(重ね継手の場合)
・柱の四隅にある主筋で、重ね継手の場合及び、最上階の柱頭にある場合。
・杭基礎のベース筋
⑵曲げ加工(折曲げ)
・「常温(冷温)加工」とする。(熱処理を行うと、鉄筋の生活が変わるため。
・「鉄筋折曲げ機」を使う。
・柱主筋の台直し(鉄筋の修正)はコンクリートをはつって常温で緩やかに鉄筋を曲げて行う。
⑶加工(フック)
異形鉄筋では一般にフックは必要ない。しかし、下記の場合はフックを設ける。
・あばら筋、帯筋
・柱・梁の出隅部の鉄筋(重ね継手の場合)
・柱の四隅にある主筋で、重ね継手の場合及び最上階の柱頭にある場合。
・杭基礎のベース筋
・90°フックとする場合は、折り曲げ内法直径(D)は、4d以上とする。
◯切断
シヤーカッターで行う。
◯鉄筋の加工・組立て
⑴鉄筋の組み立て後、スラブや梁には「歩み板」を置き渡し、直接鉄筋の上を歩かないようにする。
⑵加工寸法の許容範囲
・主筋(D25以下):±15mm
・あばら筋・帯筋:±5mm(スパイラル筋を含む)
⑶鉄筋相互のあき
下記のうち最も大きい数値以上とする。
・異形鉄筋の呼び名の数値の1.5倍
・粗骨材の最大寸法の1.25倍
・25mm
◯かぶり厚さ
帯筋、あばら筋の表面(外側)から、これを覆うコンクリートの表面までの最短距離をいう。
⑴壁に「誘発目地」「打継ぎ目地」等を設けた場合は、目地底から最外側鉄筋までが必要な最小かぶり厚さとなる。
※誘発目地
→https://osamari.biz/008/08039/
⑵かぶり厚さの検査
鉄筋組立て後コンクリートの打込み直前に、管理者の検査を受ける。
⑶かぶり厚さの保持
かぶり厚さを確保するために、鉄筋と型枠との間に防錆処理として「スペーサー」等を入れる。
・梁
間隔は1.5m程度、端部は1.5m以内
・床版
上端筋、下端筋それぞれ1.3個/m2程度
⑷柱及び梁の主筋にD29以上を使用する場合、主筋の最小かぶり厚さはその径の1.5倍以上確保する。
⑸基礎において捨てコンクリート部分は、かぶり厚さを含まない。
⑹
・土に接する布基礎の立上り部分
→40mm(設計かぶり厚さ50mm)
・基礎
→60mm(設計かぶり厚さ70mm)
⑺加工誤差を考慮し、柱、梁等の鉄筋の加工に用いるかぶり厚さは、最小かぶり厚さに10mm加えた数値を標準とする。
⑻土に接する部分における軽量コンクリートのかぶり厚さは、普通コンクリート時の最小かぶり厚さに、10mmを加えた値とする。
◯定着
⑴梁筋を柱に定着させる部分では、通常90°フック付定着とし、原則として、柱せい(柱幅)の3/4倍以上のみ込ませて、定着長さを確保する。
⑵床・屋根スラブにおいて、下端部の異形鉄筋長さは呼び名の数値の10倍かつ150mm以上
⑶鉄筋の定着長さは「鉄筋の種類」「コンクリートの設計基準強度」 及び「フックの有無」
⑷フックがある場合、定着の長さはフックの部分の長さを含まない。
⑸鉄筋の表面のごく薄い赤錆は、コンクリートの付着を妨げるものではないので、除去する必要はない。
◯鉄筋の結束
配筋後、鉄筋相互の結束には、0.8〜0.85mm程度のなまし鉄線を用いてお互いに堅固に結束する。
※鉄筋には点付け溶接を行なってはいけない。(吸熱のち急冷された結果、鉄筋がもろくなるため)