二級建築士2024

勉強のメモ書きです

【建築計画】日照・日射・採光

〈日照〉

  • 可照時間

    • 日の出から日没までの時間。その土地の緯度と季節によって決まる。

    • 天候や地形などの障害物の影響を受けない

    • 「南向き鉛直面」の「可照時間」

      夏至:約7時間

      春分秋分:12時間

      冬至:約9時間

      (日照時間と混合しないようにする)

  • 日照時間

    • 実際に日照があった時間

    • 天候や地形などの障害物の影響を受ける

  • 日照率

    • (日照時間/可照時間)×100%

      (=可照時間に対する日照時間の割合)

〈日射量(放射エネルギー量)〉

  • 直達日射量

    太陽から直接地表に達する日射量。

  • 天空日射量

    大気中の雲などで反射してから地表に達する日射量。

  • 全天日射量

    「直達日射量」+「天空日射量」

  • 大気透過率

    大気透過率は、大気中の水蒸気やちりなどが多いと小さくなる。

    夏期は冬期より水蒸気やちりが多くなるため、夏期の方が大気透過率は小さくなる。

  • 日射遮蔽係数

    数値が大きいほど遮蔽効果は小さくなる

  • 終日日射量

〈太陽高度〉

  • 太陽高度とは、太陽と地平面とのなす角度をいい、日の出・日没は0時で、南中時に最も高くなる。
    南中時ー太陽が真南にくる時刻。
  • 太陽高度は、緯度、季節、時刻によって変化する。
    緯度が同じ場合、同日の南中時の太陽高度は同じとなる。
    (緯度による影響はない)
  • 緯度が異なる場合、緯度が高いほど(赤道の緯度は0)、同日の南中時の太陽高度は低くなる。
  • 経度及び緯度の異なる地点であっても、「冬至の日」と「夏至の日」の南中時の太陽高度の差は等しくなる。
  • 北緯35度(東京)付近における南中時の太陽高度
    夏至」:約78度
    春分秋分」:約54度
    冬至」:約30度
  • 隣棟間隔

    緯度が高くなると太陽高度は低くなるため、建物が南側と北側に並んでいると、南側の建物の影は北側に大きく伸びる

    その結果、北側の建物の日照時間が減る。

    そのため、緯度が高くなるほど隣棟間隔は大きくとる必要がある。

  • 高度計算

  • 春分秋分

    北半球において、春分秋分の南中時の太陽高度は

    h = 90° - (その時点の緯度)

  • 冬至夏至

    北半球において、冬至夏至の南中時の太陽高度は

    • 冬至

      h = 90° - (どの地点の緯度) - 23.4°

    • 夏至

      h = 90° - (その地点の緯度) + 23.4°

      (23.4°は地軸の傾き)

〈採光〉

  • 直接光

    大気を透過して直接地上に達する太陽放射の成分

  • 天空光

    大気層の雲などで反射してから地上を照らす成分

  • 全天空照度

    周囲に障害のない開放した場所での「天空光だけ」の水平面照度

    天候や時間によって変化する

  • 採光計画

    建物内や居室の採光計画は、開口部に達する「天空光」を対象とする。

    (直接光は明るさの変動が大きいので、対象としない)

集熱器やポンプなどの機械力を使用して集熱・蓄熱等する方式。

  • グレア

視野内の高輝度の点や面、あるいは極端な輝度対比等により、視力低下、目の疲労、不快感等を生じる現象。

  • 無彩色

明度だけを有する色。

〈太陽高度〉

  • 太陽高度は、緯度、季節、時刻によって変化する。緯度同じ場合、同日の南中時の太陽高度同じとなる。(緯度による影響はない)
  • 北緯35度(東京)付近における南中時太陽高度

夏至ーーーーーー約78度

春分秋分ーーー約54度

冬至ーーーーーー約30度

  • 緯度が異なる場合、緯度が高いほど(赤道の緯度は0)、同日の南中時の太陽高度は低くなる。したがって、北に位置する地点(緯度が高い)の方が低くなる。
  • 太陽高度とは、太陽と地平面とのなす角度をいい、日の出・日没時は0度で、南中時最も高くなる。
  • 経度及び緯度異なる地点であっても、「冬至の日」と「夏至の日」の南中時の太陽高度の差等しくなる。

〈大気透過率〉

  • 大気透過率は、大気中の水蒸気や塵などが多いと小さくなる。
  • 夏期は冬期より水蒸気や塵が多くなるため、夏期の方が大気透過率は小さくなる

〈日射遮蔽係数〉

  • 数値大きいほど遮蔽効果小さくなる

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〈全天空照度〉

  • 周囲に障害物のない開放した場所での「天空光だけ」の水平面照度
  • 天候時間によって変化する。
  • 冬期における北向の側窓は、日照がないため室内の明るさは天空光のみの量で決まる。全天空照度の値は下記となる。

・暗い日ーーーーー5000lx

・快晴の青空ーーー10000lx

・薄曇りーーーーー50000lx

〈終日日射量〉

  • 夏至における「東西鉛直面」の直達日射量は、「南鉛直面」の2~3倍。
  • (積算日射量=終日日射量)

〈天空日射量〉

  • 大気中の雲などで反射してから地表面に達する日射量。
  • 大気透過率が高いほど、乱反射しなくなり、天空日射量は現象する。

〈昼光率〉

  • 昼光率は(室内のある点の明るさ/全天空照度)×100(%)で算出する。
  • 全天空照度変化すると、室内のある点の明るさもその変化と同じ割合で変化する。したがって昼光率変化しない
  • 窓からの距離が遠いほど「室内のある点の明るさ」は小さくなるので、昼光率低くなる。
  • 昼光率は、室内の及び天井、周囲の建築物樹木等の影響を受ける。

〈日射・日射調整〉

  • 庇・水平ルーバー

太陽高度が高い南面に適している。

  • 縦型ルーバー

太陽高度が低い西面に適している。

〈パッシブソーラーハウス

  • 機械力を用いずに、地形、立体条件、建物自体の工夫によって集熱・蓄熱等をする方式。

⑴ダイレクトゲイン方式

開口部より直接日射を取り込み、内壁や床版などに蓄熱する方法。ダイレクトゲイン方式を採用する場合は、室内の熱容量を大きくした方が蓄熱量が増加するため、太陽熱利用効果が高くなる。

⑵トロンブウォール方式

ガラスのすぐ内側に壁を設け、その壁を蓄熱体として日射熱を蓄えて室内に放熱する方法。

〈均斉度〉

  • 室内の照度分布や輝度分布の均一の程度を表す値のこと。
  • (均斉度=最低照度/最高照度)
  • 均斉度は、最高照度が高いほど小さくなる。

〈推奨照度〉

  • 住宅の居間における団欒のための照度は、一般に、150〜300lx程度がよいとされている。(日本工業規格

  • 住宅の寝室における読書時の照度は、一般に、300〜750lx程度がよいとされている。(日本工業規格

〈維持照度〉

  • 事務室の作業面において必要な照度

・一般的な事務作業の場合ーーー750lx

・細かい視作業を伴う場合ーーー1000lx

色温度

  • 黒体(炭等)を加熱したとき、温度を上げるにしたがって赤から白になる色温度とは、黒体を加熱した時の色と比較して、同じ色の黒体の温度で表示されるもの。
  • 色温度が高い:白
  • 色温度が低い:赤

〈明順応・暗順応〉

  • 明順応

目が周囲の明るさに慣れること。

  • 暗順応

目が周囲の暗さに慣れること。明順応よりも時間がかかる

〈演色〉

  • 演色性演色評価数で表す。
  • 数値が大きくなるほど、色の見え方に関する光源の特性が、自然光に近くなる。

〈タスクアンビエント照明(併用方式)〉

  • 環境照明は「全般照明」、作業照明などは「局部照明」を使用する方式。
  • 照度差が大きいと目に負担がかかるため、全般照度は、局部照明の照度の1/10以上とすることが望ましい。

〈反射グレア〉

  • 反射によって起こるグレア
  • 視対象そのものや視対象の方向のショーウィンドウなどの、輝度の高い部分正反射して生じる。

〈隣棟間隔〉

  • 緯度が高くなると太陽高度は低くなるため、建物が南面と北側に並んでいると、南側の建物の影は北側に大きく伸びる。その結果、北側の建物の日射時間が減る。そのため、緯度が高くなるほど隣棟間隔は大きくとる必要がある。

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〈明度〉

  • 色の反射率の度合い、明暗段階を表す。反射率0%の完全な黒を0、 反射率100%の完全な白を10として表し、この間を11段階に分けている。

〈マンセル色相環

  • マンセル色相環で直径の両端に位置する2色は補色の関係にある。補色を混ぜ合わせる と灰色(無彩色)になる。

〈その他〉

  • 夏期において、開口部から侵入する日射熱ブラインドによって防止する場合、窓の屋内側に設けると、ブラインドが吸収した熱が室内に放射される。そのため、屋外側に設ける方が効果的となる。