二級建築士2024

勉強のメモ書きです

【建築計画】空気調和設備

 

〈単語〉

外気冷房

中間期や冬季に、室温よりも低い温度の外気を導入して冷房する方式。

〈定風量単一ダクト方式(CAV)〉

  • 「一定の風量」で「全室」に供給する方式
  • 異なる部屋ごとの調整はできない。
  • 冷凍機を停止して外気冷房を使用することで省エネルギーを図ることができる。
  • 冷凍機により、露点温度以下に冷却すると、水蒸気が凝縮して水となることを利用して

 

〈変風量単一ダクト方式(VAV)〉

  • 冷風や温風を「各室」の「風量で調整」できるようにして供給する方式。
  • 熱負荷のピークの同時発生がない場合、「定風量単一ダクト方式」に比べて空調機から搬送する送風量は少なくなり空調機ダクトサイズを小さくすることができる。
  • 空気熱源パッケージ型空調機方式のマルチ型」より空気搬送エネルギーは大きい
  • 熱負荷に応じて送風量を変化させるため、送風量を一定に保つ定風量単一ダクト方式に比べ、部分負荷時の空気の搬送エネルギー消費量を低減することができ、省エネルギー上有効である。
  • 室内負荷の変動に応じて送風量を変化させるため、気流分布が一様になりにくく、空気清浄度の維持に問題がある。
  • 熱負荷に応じて送風量を変化させる方式のため、低負荷時に送風量が少なくなると必要外気量が確保できなくなるおそれが出てくる。あらかじめ必要最小送風量を設定し、これより多めの送風量となるよう対策が必要である。

〈ファンコイルユニット方式〉

  • 中央機械室から冷水又は温水を各室に設置したユニットに供給し冷暖房を行う。
  • 個別の制御が容易で病院やホテルの客室の空調に用いられることが多い。

〈誘引ユニット〉

空調機で処理した空気(一次空気)を噴出する際に、室内の空気を誘引し、内部で混合や調整を行った空気(二次空気)を吹き出すもの。

〈二重ダクト空調方式〉

冷風と温風の2種類のダクトによる給気を混合させて温度制御を行う方式。

  • 個別制御性が高い
  • 混合によるエネルギー損失が大きい
  • 間仕切の変更に対して対応しやすい
  • ダクトスペースが大きい

コージェネレーションシステム(熱併給発電)〉

発電に伴う排熱を、冷暖房や給湯などの熱源に有効利用するシステム。

〈床吹き出し空調方式〉

フリーアクセスフロアなどの二重床内をダクトスペースとして利用し、床面に設けられた吹き出し口から床面から空調を行う方式。

  • 冷房時には床面近くに冷気が溜まりやすくなるため、通常の天井吹き出し口よりも給気温度を上げる必要がある。
  • 夏期に除湿を行うなどの工夫が必要になる。 

〈置換換気・空調方式(ディスプレイスメント換気・空調方式)〉

室内の設定温度よりも低温の空気を室下部から吹き出し室内の人体や器具から出る発熱を利用して上昇させ、室上部から排出する換気方式。

〈全空気方式(単一ダクト方式等)〉

温度制御と換気を同時に行うことができる。

〈水方式(ファンコイルユニット方式等)〉

ユニット自体には換気装置がないため、換気機能を有する装置(ダクト併用等)が必要となる

〈エアハンドリングユニット(AHU)〉

  • エアフィルタ、熱交換器、加湿器、送風機、などで構成されており、比較的大容量の中央式空調方式に用いられる空気調和機のこと。

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ゾーニング

建物内を、室の用途、使用用途、使用時間、空調負荷、方位などにより、いくつかの区域(ゾーン)に分割し、それぞれの区域に適した空調の系統を割り当てること。

アスペクト比

長方形ダクトの長辺と短辺との比(長辺/短辺)。

アスペクト比が小さいほど(正方形に近いほど)摩擦損失は小さいくなる。4以下にするのが望ましい。

〈ダクトの大きさ〉

小さい

ダクト併用ファンコイルユニット方式

変風量単一ダクト方式

定風量単一ダクト方式

大きい

〈換気方法〉

  • 第一種換気

給気と排気両方にファンを用いる

(機械給気+機械換気)

映画館や劇場に用いられる

http://lastresort-ie.com/onnetu/air/127#i-3 

  • 第二種換気

給気側のみを換気扇で行う。

(機械給気+自然換気)

ボイラー室

  • 第三種換気

排気側のみを換気扇で行う。

(自然給気+機械換気)

〈コールドドラフト〉

冷気が窓に沿って降下すること。

◉対策

窓下に床置き型ファンコイルユニットを設置し、上向きの吹き出しとすることで窓面に冷やされて下降する空気(コールドドラフト)を防ぐことができる。

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〈ヒートポンプ〉

  • 空気熱源パッケージ型空調方式

暖房時に圧縮機の排熱を利用するヒートポンプ式のパッケージ空調機

圧縮機の容量制御としては、インバーターによるものが一般的。 

  • 空気熱源パッケージ型空調方式(マルチ型)

一台の室外機に複数の室内機を組み合わせたシステム。

  • ガスエンジンヒートポンプ

圧縮機の駆動を、電気モーターからガスエンジンに置き換えたヒートポンプのこと。電力消費の削減と、エンジンの排熱の利用によって契約電力を低減させたい場合や、暖房負荷の大きい寒冷地で使用するのに適している。

  • 空気熱源ヒートポンプ方式

暖房能力は、外気温7℃を基準としているため、これより気温が低くなると外気から熱を奪いにくくなり、暖房能力は低下する。

 〈冷却塔〉

冷凍機内で温度の高くなった冷却水の温度を下げる装置。

温度が高くなった冷却水を空気と接触させ、冷却水の蒸発に伴う蒸発潜熱(気化熱)を利用して冷却水の温度を下げる。

冷媒のノンフロン化に伴い自然冷媒であるアンモニア二酸化炭素、空気、水が空気調和設備の冷凍機の冷媒として用いられる。

冷却塔とは、どんなものですか? | 荏原冷熱システム株式会社

〈低温冷風空調方式〉

氷蓄熱などによる冷温冷水を利用して、従来よりも低温の空気を提供できる。

その結果送風量を低減することができるため、蓄熱槽、空調機、ダクトスペースを小さくすることができる。